目の見えない人が持つ身体感覚から考える身体感覚。[2019-57]【レビュー#258】

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先日、レビューではなくて紹介したヨシタケシンスケさん監修のメモ帳と一緒に買った一冊。
(メモ帳の紹介記事はこちら→「こんなメモ帳、あったかしら。
表紙がご覧のとおりヨシタケシンスケさんのイラストで可愛い感じで…

ん?
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んん?
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お、お・・・?
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な、なんと・・・!
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ん?
ん?ん?
確かにこのキュートなイラストが描かれたものが表紙で、正式な表紙の定義は知りませんが、
ISBNコードもついてるし定価表記もされているのでこの本の表紙はこれである、
といって問題ないのかもしれません。というかまったく問題は、ないです。

ただ、カバーを一枚めくるとです、通常の場合、本体と一体化している表紙が出てくる。
ところがこちらの本はこんな感じ。
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カバーが2枚。

1枚はずすといわゆる普通の表紙、つまりこの本でいうと光文社新書の一冊でありまして、
その他光文社新書と並べても遜色ない、というか違和感のない、
逆にいうと目立たなくて埋没してしまう一冊、
になるわけです。

↓こんな感じ。
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ま、どう解釈するかではありますが、よくよく表紙のコピーを見ると、
『みえるとかみえないとか』は、本書から生まれました。
と書いてあります。

ん?生まれた?
本って子供産むの?卵生?胎生?分裂(を子供というのかはさておき)?
とかいうくだらないボケは置いておいてです。

このコピーを読んだ時の衝撃、というか思いは、

  なんだカンケーねぇのかよ、クソッ

とか、

  客寄せパンダかよ、チッ

とかとか、そんなネガティブなことではなく、でもまったくなくはないかもしれないけど、
要は期待していたヨシタケシンスケさんの「みえるとかみえないとか」に関連する内容だったり、
ヨシタケシンスケさんのイラストが出てきたりするわけじゃない、というこちらの勝手な期待、
とそのズレがそうさせているんだな、と。

そう、つまり期待と現実のズレ、が怒りとかガッカリ感とかの原因なのですね、
というのを身をもって体感しました。
というと、こんな小さなことでそんな大げさな、と思われそうですが、まぁ人間そんなものです。
というか私はそんな人間でございます。

最初から「みえるとかみえないとか」買えよ、ちゅー話しですね。それはそれで要検討です。

そんな書き方するとこの本自体はどうだったんだ、ということになりそうですが、
著者も冒頭に触れてますが、身体論の本です。この本は。
著者は生物学者から転身して美学の世界に。

美学というと北方謙三とか次元大介とか、いやルパンだ五右衛門だ、銭形のとっつぁんだって…
と、そういう男の美学ではなくて、「美」つまりビューティー、というとビューティーペア…
というのはもうやめときますが、美ですよ、美。

で、なぜかそこで身体論を取り扱うと。
身体論というと、以前ご紹介した柳生の「生命知としての場の論理―柳生新陰流に見る共創の理 (中公新書)
とかも共通するものを感じました。要は身体をどう使うのか、みたいな話し。
(レビュー記事はこちら:人工知能と柳生新陰流の関係とは。【読書レビュー#114】
それを視覚障害者の視点を通して世界を見ることで我々晴眼者との違いを対比しながら、
身体感覚を解き明かしていこう、という試みの本です。

それを通じて自分の身体を進化させよう、みたいな。

視覚障害者の世界だと、本書にも取り上げられてますが、その昔、オープンしたてのDID
(ダイアログ・イン・ザ・ダーク)に行って、ハンパなく面白かったり感心したり勉強になった、
そのときの経験を思い出しました。
その後DIDの本「まっくらな中での対話 (講談社文庫)」も読んで、これまた非常に面白かったです。

再び今日ご紹介の「目の見えない人は世界をどう見ているのか」に戻りますが、
見える人と見えない人って、要は身体的な特徴の違いであって、今の社会の作られかたが、
彼らに障害を感じさせるようになっているだけである、と。

確かにそうやって視点を転じてみると、本書の中に紹介されている、ソーシャル・ビュー、
という美術鑑賞の手法とか、ブラインドサッカーの話しとかとか、ただただ、

  スゲーーー!!!

としかいいようのない、めくるめく世界が待ってます。

とここまで書いてきて私事になるんですが、最近、ちょっと一時期より減ったかもしれませんが、
電車の中とかでAGAの広告とかよく見ませんか?
こんなの↓
とか、

こんなの↓

とかとか。

こういうの目にするたびにハゲは病気なのかよ、と。
単に身体的特徴じゃないのか、と。

非常に納得いかない思いなわけですよ。
ただ、

 じゃあソーシャルビューとかブラインドサッカーみたいなことできんのかよ?!

と、問われると何もできないわけで・・・
とすると、やはり身体的特徴、じゃなくて病気なのかなぁ・・・(つд⊂)エーン

とか思ったりする今日このごろなわけです。

なんてくだらない話しになってしまいましたが、「目の見えない人は世界をどう見ているのか」
は、非常にまじめないい本です。オススメです!


目の見えない人は世界をどう見ているのか
読了日: 2019年8月24日

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