ほとばしる感情。ドストエフスキーを読んだ(これホント)[2019-80]【レビュー#281】

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以前、青空文庫で無償配布されているものをレビューしました。こちらで。
ってよくわからないタイトルですが、この記事を読んでもらえればわかります。
そんなもったいつけるような大した理由じゃないので気にしなくても大丈夫。

それはさておき、上の記事でご紹介したのは、「カラマゾフ兄弟(上)」というもので、
ごく一部。

で、中途半端に置き去りにされた感が強かったので、覚悟を決めて買ったわけです。
本日紹介のこちらを。
カラマーゾフの兄弟 完全版 - ドストエフスキー, 上妻純一郎, 米川正夫

そして前回のときにこんなことを漏らしていました。
で、ここで一つ迷いがありまして、中山版「上」のあとから読み始めるべきか、
それとももう一度頭から、別物として読み始めるべきか、です。
一冊の本としての整合性、翻訳家へのリスペクト、その他もろもろ、うまく言えませんが、
自分の価値観、みたいなことを考えると後者、すなわち頭からもう一度、
という選択肢を選びそうな気がしています。
そしてそのとおり、頭から全部読み直しました。
まぁ普通そうするよね、という感じかと思いますが。

前回の読み終り(上)のみ、が2019年5月、そしてこちらが12月、なので、
合間合間でちょいちょい読んでいた割には思いの外早かったな、という感じですね。

そして肝心の中身ですが。
一言でいい表すならば…

長い!
マジで、長い!!
全体もさることながら、一人一人のセリフ回しがとにかく長い!!!
感情のほとばしりが半端ないです。
もともとしゃべるキャラクターはもちろん、そんなに長々しゃべる印象のなかった登場人物も、
場を与えられると、ゆっくりポツリポツリと始まりつつ、どんどん感情が昂ぶっていって、
しまいには怒涛のような感情が溢れ出して押し流されるような迫力に。
その感情に乗っかると読んでてだんだん息切れ状態になり、苦しくなってくる、
そんなことがたびたびあった気がします。
ドストエフスキーの絶筆ということで、一応話しは完結していますが、当初の想定ではこれは、
この長さでありながら第一部、続きが予定されていたようです。

確かに中途半端感、というかその先が知りたい!感が満載です。
ですがそれは決して叶わぬ願いなわけです。
そして本文とはそれますが、訳者、米川正夫氏の後書きかこれまた半端ない。
各主要登場人物の人間像、性格分析と当時の時代背景やドストエフスキーの他作品との関連づけ、
他の文学作品との対比とかとか、これだけでも一大評論文と呼べるんではないでしょうか。
また好き嫌いはあると思うんですけど、この文章自体がすごく格調高くて表現豊かだなぁ、
と感じ入りました。間違いなく美文だなと感じました。(個人の感想です)
さて大作をやっつけたところで、次は罪と罰か、トルストイの「戦争と平和」か…
と野望は広がります。
カラマーゾフの兄弟 完全版
読了日: 2019年12月15日

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