「ライフ・シフト」が示す100年時代の戦略とは【読書レビュー#16】



ロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授による前著「ワーク・シフト」に続く第2弾。
平均寿命が100歳、という誰も体験したことのない時代を迎えて、人生はどのように変化するのか。

という、なかなかインパクトのあるテーマで、去年、著者本人の講演に参加しました。

で、その前に。

冒頭掲げていた画像が原著です。自分が読んだほう。
その名も、「The 100-Year Life: Living and Working in an Age of Longevity
といって、「100年人生。超長寿時代の生活と仕事」という感じです。
「超」は勝手につけました。

かたや、日本語版はこれですね。


えーと、なにがいいたいかというと、「ライフ・シフト」という言葉は使われてません。

前著が「ワーク・シフト」で、2025年には仕事はこうなる、的な仕事がテーマだったのに対し、
今回は誰もが100歳まで生きる時代に、仕事だけでなく、人生そのものがどう変化するか、
ということで対象的につけられたタイトルですね。

ちなみに「ワーク・シフト」の原題も違うんですよねぇ・・・。

これが日本語版。


で、原著はこっち。


わかりますかね?

そう。原題は「The Shift」なんですね。

で、肝心の「ライフ・シフト」なんですが、テーマとしてなかなか面白いし、
考えさせられる点がたくさんありますね。

一番のコアになっている論点というのが、
寿命が劇的に伸びることによるライフステージの変化で、
それに対して自分のキャリアの築き方、「老後」というものへの考え方、
対処の仕方、そういったものがすべて変わってくるはずだ、という考察ですね。

要は、今までの時代は、ひとことでいえば、

  学校 → 仕事 → 老後

という、ほぼリニアな3ステージだったものが、例えば寿命が100歳に伸びたとすると、

  学校(約20年)→仕事(約40年)→老後(約40年)

ということになるわけです。
今までなら平均寿命を70歳とすれば、それぞれ20年、40年、10年となるわけで、
老後は10年で良かったわけです。(すでにだいぶ延びつつあります)

じゃあこの伸びた30年をそのまま定年後の人生が30年増える、
という単純計算で成り立たせることが可能なのか?
年金その他社会制度も今のままでは変化が必須な中で、
個人的にどれだけの蓄えが必要なのか、そしてそれが果たして現実的なのか、
さまざまな角度で分析を試みています。

簡単にざっくりまとめると、

  3ステージの人生は崩壊する

ということですね。

じゃあそのためにどうすべきか、どう考えるべきか、
というシナリオが展開されていくわけです。


で、ここまでお付き合いいただいたあなたに特典!
ということでもないんですが、この本、かなり話題になっているようで、
読んでないひとまでさも読んだかのように、ネタとして持ち出してくるんですが、

  あ、このひと読んでないな。

と見破る方法がありまして 笑

もちろんこれだけじゃないですし、そんなものわかっても何の得にもならない、
といわれたらそのとおりですね。

ですからこのティップスを使って、

  「あなた、ホントは読んでないでしょ?」

って指摘しちゃってケンカになったりぶん殴られたりしても保障はしません 笑


と、もったいぶってなんなんだ?と思ってきましたね。
それはですね、


  誰でも100年生きる、という前提で書いてない


つまりどういうことかというと、今45歳くらいのひとは、
平均余命85歳とされているので、それを前提にシナリオを構成しています。
今から10年前、2006年くらいに生まれたひとは、
平均寿命108歳くらいになると予想されているので、それを前提にしています。

なので、今50歳とか60歳のひとたちが、100歳まで生きます、
という内容ではないです。

個人的には早くこいこいシンギュラリティー的な記事も書きましたし、
不死の時代がやってくる、と信じてるんですが、
この本もその辺、目配せしてあって、カーツワイルの説も引用されています。
もちろんその説一辺倒で話しを展開しちゃあ、研究者としてはまずいわけで、
あくまでも一説として触れているだけですが。


未来のことは誰も予測できないにせよ、今回フリーになって、
いわゆる60歳とか65歳定年とかにしばられない世界にいける可能性が出てきた、
という身には大いに励まされます。

あと内容をすっかり忘れてしまっているので、
「The Shift(ワーク・シフト)」も読み直したいなと思いました。

老後なんてまだまだ先だぜっ!
なんて思ってあとで困るよりは、いま読んでおいて損はないと思います。




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