今回は同じく青空文庫から「私本太平記」。これもタダってすごい。
吉川英治の宮本武蔵はこれまでに10回くらい読んでるんですが、
前回の三国志といい、今回の私本太平記といい、初めてです。お恥ずかしい。
で、この私本太平記。室町幕府を開いた足利尊氏が主人公ですね。
この時代のことって、そのむかぁ〜しに歴史の授業でやった覚えしかないので、
新田義貞とか楠木正成とか後醍醐天皇とか、名前は聞いた覚えはあるけど「はぁ」、
みたいな感じでした。
が、人間模様ですねぇ。
いちばん印象的だったのが、これは史実に基づいたものなのか、
吉川英治の書き方なのか、「弟」というのはどういつもこいつもこんなもんなのか。
とにかく狭量で一途で跳ねっ返り。
逆に言うと長男ってみんなぼーっとというかおっとりしてるのか、ともいえますけども。
ただまぁ、当然主人公なので下駄はいて書かれてる分もあるんでしょうが、
尊氏の度量と視野の広さ、さらに常にある「自責」の念。
誰でもなくすべては自分の責任とする覚悟。
この点がやはり弟直義とは対象的な感じに書かれてますね。
その点は楠木家も同じかな。
で、足利尊氏が室町幕府を開いた、と歴史の授業では確かにならった気がしたんですが、
しかし世の中収まらない。ぜんぜん収まらない。
オセロというかモグラ叩きというか、常にあっちで反乱、こっちで反乱。
これで室町幕府ができた、ってことにしていいのか?的な印象なんですけども。
ところでですね、若干話しはそれるんですが、
何で渋沢栄一はそこまで尊氏を下げて正成を持ち上げるのか?
というのを読んでるうちに考えてたんですね。
というのも、前にもちょっと紹介した彼の「論語と算盤
」の中でも、
尊氏はダメで楠木正成こそホントの男だ、みたいなことを書いてあったんですね。
これって元ネタが違うんでしょうかねぇ?
もちろん私本太平記が書かれたのは渋沢より後の時代のはずなので、
私本太平記を読んでいようはずもないんですが、じゃあ彼の元ネタは何だったのかなぁ、と。
詳しいかた、教えてください。
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