なぜか懐かしくて切ない感じがする『坂の上の雲』[20-29]【レビュー#314】

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海は広いな大きいな…


思わず口ずさみたくなるわけではありませんが、漁師町で生まれ育ったといっても過言ではない、
読書の専門家りゅうたろうです。

海の広さに思いをはせながら、今日の一冊はこちらです。



あいやなんかすごい。

言葉が見つからない、というかもうただただ圧倒された、という感じとか、
海軍の凄さとか、陸軍のどうしようもなさ、とかとか。

後書きに書かれているが、陸軍において騎兵隊を組成し率いた秋山好古と、
その弟であり日本海海戦によってバルチック艦隊を壊滅させた作戦の立案者、秋山真之、
という兄弟を軸に日露戦争の端緒から終結、そしてその後の二人をかいつまんで描いている。

二人を軸、とはいっても本当に膨大な人員と巨大な組織の中でのたった2名なので、
その二人がいなかったら日露戦争も果たして…という稀代の英雄、という描き方ではなくて、
あくまでもひとりの陸軍人、海軍人、として描かれている。

それにしてもアホな陸軍。

※陸軍だけでもないですが、日本軍の愚行については下記のレビューをご参照あれ。


恥ずかしながら(なんか年中恥ずかしがってる気がする 笑)人生初の司馬遼太郎。

その昔、家の本棚に『竜馬がゆく』があったり、山岡荘八の『徳川家康』とかがあったり、
(司馬遼太郎ではないけど)ひょっとすると他にも司馬作品はあったような気もするが、
記憶もなく、実家もすでになく、定かではないが、これらに見向きもしなかったのは確か。

目の前に宝石が転がってたのに、もったいない話し。


で、この『坂の上の雲』です。

はたしてこれは歴史「小説」なんでしょうか、そもそも歴史小説ってなに?

フィクション?ノンフィクション?

著者本人が後書きにも書いてるし、あと『読みたいことを、書けばいい。』で知ったんですが、
ものすごい数の文献あさりを事前にするそう。

この坂の上の雲も調べるのに5年かかった、とか。

ロシア側の記録とか、とにかく膨大な量の文献にあたっていたのは間違いなく、
しかも本人曰く事実を重視していたのは間違いなくて、読んでるこっちも小説というよりは、
記録を読んでるような気分。

これか!と。『読みたいことを、書けばいい。』に書かれていた、事実が大事で、
調べが9割6分2厘と言ってたのは、と。
そういえば随所に司馬遼太郎のことにも触れていたし。

てことはこれってエッセー?

心象だけで書いたのが小説、だとすると、確かに吉川英治の宮本武蔵は小説てことになるな、と。
まぁもっと司馬遼太郎、読んでみようと。


坂の上の雲
読了日: 2020年6月30日

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