『成りあがり』者の生々しさとしたたかな計算高さ。[21-29]【レビュー#366】

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叫ぶだけじゃない。


最初に読んだときは拒否感なのか嫉妬なのかなんか受け入れられない感じだった。
なんだろう、なんか生っぽすぎというか剥き出しすぎてなんだろうか。

矢沢永吉は聴いたこともないしキャロルと矢沢の関係とかも全然知らなかった。

最初はそんな感じだったと言いつつすごい引き込まれる感じで、滅茶苦茶な環境に置かれても、
その中でめちゃくちゃ頑張ってるのがただただ唖然。
単なる悪というかはぐれもの、ではなく誰よりもストイックに目的に拘ってる姿勢がすごい。

意外だったのは矢沢永吉の口から『人を動かす』が愛読書、なんてくだりがあったこと。

とにかく目標に向けてはストイックに、そしてデカい投資を惜しまずして勝負かける。
さらに単に歌が唄えてればいい、というだけじゃなくてビジネスとして冷静に捉える、
そんな一面もしっかり持ってて、嗅覚なのか頭の良さなのか才能なのか。
強烈な目的意識。そのためにやれることはなんでもやる。
自分で切り拓く力。
とにかくただごとじゃない感じすごい。

糸井重里さんの取材力と構成力もあるんだろうけど、それは矢沢のエネルギーと咆哮を、
存分に生かすことができてるんだろうと。
ホントのハングリー精神なんだろうけど、そういう言葉すら陳腐に聞こえてしまう。
そういう意味では糸井重里さんもスゴい。

すごいスゴいばっかりでアホみたいなレビューですが、ほんとにスゴいんです。

成りあがり
読了日一回目: 2021年8月6日
2回目: 2021年8月10日

途中で矢沢の愛読書として紹介した『人を動かす』はこちら。
当ブログ「読書だけして暮らしたい」でも何度か紹介している、オススメ本です。


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